バーバリーの染めをやっていた頃

By horithren.com,

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大学卒業後に修行に行っていた会社のある近くを数年ぶりに通りました。修行を終える前に妻のご両親が亡くなり、30年近く前になりますが、当時は道路事情も今ほど良くなく、桐生と会社を片道2時間強かけて通ったことを思い出しました。
当時はバーバリーのコートの生地になる糸をよく染色していました。個人的にはバーバリーのコートクロスはオリーブ色と金茶色の糸で織られた玉虫色が一番好きでした。糸の段階ではそれぞれは地味な暗い色なのに織られるとこんなにきれいになるんだと当時は感動してました。
因みに高い堅牢度が求められるこれらの生地になる糸はスレンで染められていました。今でこそ聞かなくなりましたが、昔はイダンスレンマークというものがあったそうです。インダンスレンで染められたものは堅牢度が高いということでそのマークを付けることが出来たようで、バーバリーにもインダンスレンマークがあったという話を修行時代の師匠から聞いた気がします。霧の町ロンドンでは突然雨が降ったりすると、帽子をかぶりコートの襟を立てて雨の中を歩いているというシーンが思い浮かびませんか。雨が上がるとパッと晴れ、太陽の光に晒される、染色物には良い環境ではありません。だからこそスレンでなければいけなかったのかもしれません。