紫根染め、やってきました

By horithren.com,

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藍の特徴を書く前に、前回の本藍染めに続き紫根染めをやってきました。以前から紫根染めをやってみたいと思っていて、群馬県繊維工業試験場での草木染め教程を何年も続けて受けた時、最後に製品作りで各々好きな染料でストールとかを染めるのですが、その際やったことのない紫根染めをやってみたいと申し出たことがありました。その時は、紫根はここで今やるのは無理ですと言われました。他の草木染めと同じように考えていたのですが今回やってみてその違いがわかりました。自分の復習も兼ねてどんなことをやったのかあらためて整理したいと思います。

11月27日、高崎市染料植物園において、草木染めで有名な山崎和樹先生のご指導で体験してきました。紫草は絶滅危惧種だそうで、他の草木のように野山で取って来るというわけにはいかないようです。内モンゴル北部でよく栽培されているそうです。日本でも北の寒いある地方に古来種があるという噂を聞いたことがあります。

紫根は漢方薬としても売られてもいます。その紫草の根を一晩水に漬けたものに酢を加えた水を入れ、こねるようにこすり合わせます。表面ほど色素が多いそうで、こねるように揉んでいると水が紫っぽく濁ってきます。水を入れ替えてはこねるを繰り返し色素を揉みだします。染液が用意できたら被染物を染めます。染めたら椿灰を浸漬した液で媒染をします。椿は葉にアルミ成分が多いらしいのですが、軽トラック一杯を灰にして数kgしかとれないらしいです。染液が酸性、媒染液がアルカリ性なので漬ける度にリトマス試験紙のように色が変わります。せっかくなので半分染液、半分媒染液に浸け段染めにしました。染材、媒染材、色素を揉みだす時間や労力を考えるととんでもないコストになると思います。

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皇帝紫と言われる貝紫はもっと貴重なのかもしれませんが、そのコストが高貴の色と言われる所以なのでしょう。
帰りに残った染色液を頂いて来ました。工場に持ち帰り綿のTシャツを染めてみました。綿なのでどれほど吸収するのか、また残液なので淡くにしか染まらないだろうと思い、Tシャツを陽イオン化してから染めました。